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レンズについて [オーロラ撮影]

カメラ、三脚、ウェアと準備を行ったが、大事なものの準備が出来ていない。レンズだ。

オーロラ撮影には、一般的に超広角あるいは、魚眼レンズが必要だ。このくらいの広角でないと、空を覆うようなダイナミックなオーロラをおさめることは出来ない。遠くで生まれたばかりのオーロラを狙う場合であっても、35mm換算の85mm程度までが使える最長の焦点距離となる。
今の所、所有しているレンズで一番広角側は18mm(APS-Cで27mm相当)で、オーロラ撮影には画角が足りない。ここはカメラを買った勢いに任せて、レンズも新調しようと考えた。

AT-X116.jpg




オーロラは、肉眼で見る限りは明るく感じるが、写真に捉えようとすると、その明るさは思いのほか暗い。そのため、どうしても長時間露光となってしまうわけだが、今回の目的は、可能な限り細い針を写し撮ること。銀塩の時に切った、30秒では細い針は臨むべくも無い。目標は5秒程度の露光時間だ。このため、可能な限り明るいレンズが必要となる。
また、暗い空に向けて、欲しいアングルを決めるには、ファインダー内の画像の見えやすさにもつながる明るいレンズを使用することが望ましい。

一つの目安として、開放F2.8のものを基準とし、いくつか候補を挙げ、検討していくこととした。

AF-S DX Zoom-Nikkor ED 12-24mm F4G(IF)


知人の話を聞いていると、なかなかに評判の良いレンズである。最大の弱点は、F4であるということ。このわずかな開放F値の違いが、細い針を表現するには大きな差となってしまうことが予想されたので、候補から外れた。


AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G ED


このレンズは、どこで話を聞いても、皆が口をそろえて絶賛している。オーロラ撮影なら、これしか無いよとまで言われる始末。最大の障壁は、その高価格だ。今後フルサイズへと移行することになろうとも、このレンズをそろえておくことは、とてもメリットがあることのように思われたが、今回は旅行代金の上に、カメラまで買ってしまっている。また、周辺のものにもここまで結構散財していることも考え、かなり後ろ髪引かれる思いで、候補から外さざるを得なかった。


AT-X 116 PRO DX


今般新発売のこのレンズ。開放F値は2.8通しでまったく問題なし。解像感については、このモデルの前身とも言えるAT-X 124 PROでの評判もなかなかに良いようだ。なによりこの口径と価格で、手軽であることは大きなメリットだ。11~16mmという焦点距離は、今回使用予定のAPS-Cサイズのカメラでは、16.5mm~24mmとなる。これだけの広角であれば問題ないどころか、画角的には最適だ。価格も手頃で、オーロラ撮影にとってのコストパフォーマンスは飛びぬけて良いものと思われたため、これに照準を合わせ、入手を計画した。


しかし、ここで問題が生じた。当初11月末に発売予定であったこのレンズだが、2月末に変更になったとのこと。出発は2月29日である。1月末頃、予約を入れようとカメラ店へ向かうも、まだ予約を受けられないとのこと。出発は刻々と迫ってくる。
その後もなかなか発売日が発表にならなかったが、およそ3週間前の2月6日になって、ようやく発売日が2月28日と決定したようだ。すぐにカメラ店へ向かい予約したが、店員の話はすっきりとしたものではなかった。29日に出発であることを伝えても、入荷するとは思いますが....と重苦しい返事。
そうこうしているうちに、知人から、”発売日は28日だが、出荷が間に合わないらしく、29日になる可能性があるらしい....”とのこと。あわててTokina(Kenko)へ直接問い合わせの電話を入れた。担当の方の説明も、やはりはっきりしない答えであった。”月を超えるかもしれません....”と....

このままでは、自分なりに熟考したつもりのレンズに関する計画は、実現の可能性が非常に薄くなった。ここへ来て、手持ちのAF-S DX Zoom-Nikkor ED 18-70mm F/3.5-4.5G (IF)で撮らざるを得ない可能性も考えたが、なんとか広角を使用したい。そこへ来て、友人から、魚眼を貸してもらえることになり、すぐに友人宅へ訪問した。お借りしたのは、同じくTokinaのAT-X 107。10-17mmの対角魚眼である。今まで魚眼レンズで撮影したことは全く無く、うまく使いこなせるか不安だったので、まずは試写してみた。
080217-flower-1.jpg
撮ってみて驚いた。F値は3.5-4.5であるが、最短撮影距離が非常に短く、魚眼マクロとも言えそうなレンズである。この写真を撮ってから、すっかりこのレンズの面白さに魅せられていたが、最短撮影距離はオーロラ撮影にとっては関係の無い性能である。ちょっと別の興味に気を引かれてしまっていたが、本来の方向へと、無理やり準備作業の軌道修正を行わねばならなかった。
しかし、もし全天を覆うような大規模なオーロラが現れた時のためにも、友人に甘えて、このレンズも機材に加えて行くことにさせてもらった。

出発まであと1週間となったある日、再度カメラ店を訪れた。29日に出発することを再度念押しし、説明した。店員は最大限努力することを約束してくれたが、メーカーのあいまいな答えが脳裏をよぎった。

そして運命の28日。入荷の連絡は無かった。

早々に仕事を終え、再度カメラ店へ。入荷状況を聞くと、あっけないほどに、”入荷していますよ”と....
昨晩のうちに電話を下さったらしいが、携帯がつながらなかったとのこと。

こうしてめでたく念願のレンズを入手できたわけだが、試写もできず、ほとんどぶっつけ本番の状態で、このレンズを使いこなさなければならない。果たして問題なく使えるのであろうか。また、その本来の光学性能はどうなのだろうか。この時点でも、kakaku.comの掲示板などでは、実画像を見ていないので、様子見との書き込みが多く見られた。不安は増長するばかりだ。

試写の時間も無く、このレンズを大切にカメラバッグにパッキングし、家を出発したのであった。


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コメント 8

Kimi

ええ〜!!
そんな切羽詰まった状態で出発されてたんですね(;^_^A アセアセ…
ぎりぎり間に合ってよかったですね♪
でも試してないってものすごい不安ですよね(汗)
魚眼の梅、寄れるのっていいですね(^^)
全天のオーロラ写真、感動しました♪

by Kimi (2008-03-12 21:01) 

IsPhoto

Kimiさん
そ、そうなんですよ。かなりドキドキでした^^
魚眼では、"地面と空を思いっきりレンズにゆだねて..."って写真が多いですが、ちょっと毛色を変えて、こんなのを撮ってみました。
で、そうです、最終日の到着時、既に全天を覆うオーロラが出ていたので、この日は魚眼を取り付けて撮影を開始したんですよ^^

by IsPhoto (2008-03-13 00:26) 

pi-ro

最初からここまで一気に読んでしまいました。
わくわくしています~
by pi-ro (2008-03-14 14:02) 

IsPhoto

pi-roさん
ありがとうございます。
今後もお話は続きますので、お時間ございましたらぜひおこしください。
by IsPhoto (2008-03-14 23:16) 

とり

なんともヒヤヒヤものでしたね。
なにはともあれ持って行けて良かったです^^
by とり (2008-03-15 11:36) 

ccq

こういうときのためにレンズはたくさん用意しておかねば(爆)
by ccq (2008-03-15 20:26) 

IsPhoto

とりさん
ほんと、なんとか間に合ってよかったです。
成田で集合した時に、”間に合った?”ってみんなに聞かれました。^^
by IsPhoto (2008-03-16 18:10) 

IsPhoto

ccqさん
いいと思ったレンズは買っておかないといかんと思いました。
ただ、14-24mmが出るまでは、開放F2.8の手頃なレンズがなかなか無かったもので....
14-24mmはほんとに欲しいです。^^
by IsPhoto (2008-03-16 18:12) 

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