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幸せな生活 - 子育て世帯 [欧州旅行2009]

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Jさんのお母さんのお宅訪問の次は、今回の旅の一番の目的(?)でもあった、Jさんの娘Nさんのお宅を訪問。
理由はこの子、ヨハネス君に会うため....
孫がかわいいのは世界共通。おじいちゃんとなったJさんは、初孫のヨハネス君誕生以来、いったい何通のメールを送ってきたことだろうか。もうかわいくて仕方ないらしい上、どうしても会いに来いと言う。今回の旅は、そもそもこのお招きから計画を始めたものだった。
  
Nさんとは2003年に会った以来なので、6年ぶり。前回会ったときは、彼女は大学生で、留学先のカナダから戻ったばかりだった。今や素敵なママになって、笑顔で我々を迎えてくれた。

残念ながら、我々が到着した時ヨハネス君はお昼寝中。その間はちょうどコペンハーゲンで開かれていたオリンピック選考委員会の話題やデンマークのこと、日本のことなど、お茶を飲みながら会話を楽しんだ。
彼女は養護施設に勤務しているが、我々が訪問したちょうどその日、彼女の職場には鳩山総理夫人が訪問されたのだと言う。同僚からその時の模様を報告するメールが届いたらしく、現在育児休暇中のため首相夫人にお会いすることが出来なかったと、ひどく残念がっていた。Jさんと同じく、彼女も大の日本好きの一人である。

デンマークでは、地域や条件にもよるが、最大1年間育児休暇を取得することができる。しかもその間の給与は保障されるというのが驚きだ。また、休暇の後はスムースに職場に戻れるような仕組みもはっきりと決められている。こう書くと、女性の社会進出があたりまえのデンマークならでは...とだけにも聞こえるが、それだけでなく、この1年間の育児休暇は、御主人も取得することができる。二人で合計して最大1年間(ただし、だぶることは出来ない)なので、相談してどちらがどのくらい休みをとるかを自由に決めることが出来るのだと言う。ママは半年休んだ後、パパが半年休むということも可能なのだ。こんな制度も、出生率を維持している一つの理由であることは間違いなさそうだ。

その後は子供を保育所に預けることになるのだが、日本では待機児童の問題や、兄弟姉妹で別の保育所に入らざるを得ないケースもあることを説明すると、少し驚いた様子を見せた後、ここコペンハーゲンでは、”基本的に”そういうことは無いと言っていた。(非常に稀なケースで、特殊な要望にこたえきれずにそうなることも無くはないという意味らしい。)
しかし、いわゆる保育所のような施設以外にも、市が認可した個人の託児所もたくさんあるらしい。あるとき、一人の女性が、兄弟とは見えない4人の子供を連れて地下鉄でピクニックに出かけている姿を見かけたこともある。おそらくこういった個人託児所の保育士さんなのであろう。みんなでとても楽しそうにしていたのが印象的だった。

保育所に預けることになると、日本では保育時間の短さがたびたび取り上げられるが、デンマークでは大半の保育施設が7時半から5時半頃まで開園していて、親の勤務時間に合わせて子供を預けられるのだという。夕方5時半では早すぎるのでは?と我々は考えがちだが、私が通っていた会社でも、早い人は3時くらいから退社しはじめ、4時になるとほとんどの人が退社するという感じなので、問題はなさそうだ。一見えらく恵まれた環境のようにも思えるが、日本とはあまりにも感覚が違いすぎるので単純に比較はできない。しかし、社会自体が男性も女性も大切な労働力であると認識し、また育児も大切な仕事であるとの考えのもとに、市民も企業も仕事と家庭を両立させる方法を考え、労働時間の短縮や、ワークシェアリングの仕組みなどを生み出した。そしてまた国もこれを支援する仕組みを色々と打ち出していることは非常に参考になった。

こうしてNさんに育児のことを色々聞いて行くと、彼女のように若い母親でも、育児に対してとさほど心配していないような感じだった。父親も母親も平等に育児に参加し、またこれを支援する仕組みがしっかり出来ているのだからこそ、こうして収入を含めて心配なく育児を行えるのだろう。非常にうらやましく思った。
 
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社会の仕組みなど、難しい話になってきたところで、奥の部屋から赤ちゃんの泣く声が...どうやら起きたらしい。Jさんの顔がとたんに満面の笑みに変わっていく。かわいくて仕方ないのが、表情からもよくわかった。Nさんによると、おじいちゃんは、最近はなにかと理由をつけて、ヨハネス君に会いに来るのだと言う。どこのおじいちゃんも同じである(笑)

Nさんに抱かれて登場(!?)したヨハネス君は、はじめこそ見知らぬ我々を前にしてちょっとびっくりしていたが、すぐに慣れたらしく、我々に抱っこされたり、おもちゃで一緒に遊んだりした。う~ん、かわいい....
 
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まずは目覚めのおやつ。STOKKEのTRIPP TRAPPに座らせてヨーグルトを食べさせる光景は、北欧の子供のいる家庭ならではといったところか。
 
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今回、ヨハネス君へのおみやげに持参したのは絵本。表参道の クレヨンハウスで購入した。彼にはこれがとてもよかったらしく、すっかり気に入ってくれた。
 
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とても楽しい時間はあっと言う間に過ぎ、外は暗くなり始めていた。ここでも非常に後ろ髪をひかれる思いで、彼女のお宅を後にした。
 
 


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コメント 8

cjlewis

戦後、とにかく国を立て直し、豊かにしていくことを最優先してきた日本。
ずいぶん前から、人間的な生活が保証されていない国です。
物質的にはこれだけ豊かになったんですから、豊かな心を育むような社会にシフトしていってもらいたいものですね。
ヨハネスくん、北欧の子どもらしい、グリーンの瞳が美しい!かわいらしいですね~
by cjlewis (2010-04-08 12:46) 

えがみ

彼らにしてみると日本は極東の果てにある国で興味を持たないと思っていたんですが、実は案外興味をお持ちなんですね。
意外です。
by えがみ (2010-04-08 23:33) 

Kimi

頭きんきんでカワイイ〜ヾ(≧∇≦)ノ
キミの公式サイトに載ってた"ちびキミ"を思い出しました(笑)
子育ても老後も不安がないなんて、日本と全然違いますね。
by Kimi (2010-04-09 21:08) 

IsPhoto

cjlewisさん
日本ではそれが一番のプライオリティでしたから、ま、今となっては”仕方ない”部分もあったのでしょうね。これからも日本も、幸せの価値観がだんだん変わって行くのでしょう。期待したいですね。
子供はどこの国でも本当にかわいいです。彼がどんな人に育っていくのか、とても楽しみです。頭のいい子かな?イケメンかな?(笑)
by IsPhoto (2010-04-10 10:44) 

IsPhoto

えがみさん
デンマークの人に限らず、欧州の人の日本に対する認識は、意外と我々の想像以上だったりします。コペンハーゲンの街中の店頭には、JCBのシールが貼ってあったりしますからね。日本の文化に対しては、ある種の畏敬の念を持っている部分があるようです。皇室同士も仲がいいみたいです。
Jさんも、"Hej venner fra solens land!"ってメールの冒頭に書いてきたりします。訳せば、太陽の国の友達友達へ....っていうような意味ですが、”日出る国”という意味が変化したものかと....。
by IsPhoto (2010-04-10 10:53) 

IsPhoto

Kimiさん
ね~、カワイイでしょう?あちらの人は見慣れているからそれぞれの微妙な顔の違いを認識するのでしょうが、北欧人をそれほど見ていない私たちにとって、彼はまさしく”ちびらいこねん!”って思いましたよ(^^)
彼もああいう感じにイケメンになるのでしょうか?楽しみですね(笑)
もう少し言葉がわかるようになったら、彼と遊ぶためにまた行ってみたいと思っています。おじいちゃんも我々が訪問して”うぁ~、カワイイ!”って言ってくれるのが大変嬉しいみたいですし....(笑)
あちらの方は、おおむね政府の政策に満足しているようでした。高負担高福祉っていうのは、日本での実現はちょっと難しいでしょうが、そういうやり方もあるんだという、一つの事例として学ぶのは非常に大切ですよね。

by IsPhoto (2010-04-10 10:58) 

Ranger

凄いカワイイです^^

やっぱり、あちらの子は、眼も素晴らしく綺麗ですね
by Ranger (2010-04-12 15:23) 

IsPhoto

Rangerさん
ほんと、目がクリクリでかわいかったです。
いないいないばぁですごく喜んでくれました。世界共通ですね(笑)
by IsPhoto (2010-04-13 09:12) 

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