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Photoshop CS5 トライアル - ACR6.0&レンズ補正 [写真]

100512-PsCS5About.jpg

PhotoshopCS5無償体験版がダウンロード可能になってすぐにテストを少しづつ始めてみた。
今回のCS5は色々と興味深い機能が増えているが、地味なところから(笑)攻めてみた。

まずはAdobe CameraRAW6.0 およびレンズ補正から....
 
今回のテストはあくまで一例であり、どの状況下でも同様の結果が得られる訳ではないことを御承知置きください。また、私はAdobeの関係者でも無く、単なる一ユーザーであることあらかじめお断りしておきます。
 
 
今回題材に選んだ画像は、某結婚式場でのヒトコマ。外光を取り入れた、大変に雰囲気のいいチャペル。しかし、テスト撮影に入った頃から急激に空模様があやしくなり、光量がどんどん落ちて来た。実際には空はこの写真よりもずっと真っ暗。クリップオンストロボでは距離がありすぎるし、外光を生かした撮り方をしたかったのだがそれも無理そうだった。あくまでテストカットとしてISO1250に上げたものも撮ってみた。それがこの一枚。
CS5-1-ACR6.jpg

100%拡大で見てみると、当然ながら盛大な輝度ノイズ&カラーノイズの嵐である。
CS5-1-ACR6-NRORG.jpg

今回のCS5では、CameraRAWがVer6(以下 ACR6)となり、様々な改良がなされているが、私が特に注目していたのはノイズ軽減の機能。CameraRAWのVer5(以下ACR5)に比べて、アルゴリズムが飛躍的に改善されていると感じた。結果は以下の通り。
CS5-1-ACR6-NR.jpg

従来多くの画像処理ソフトにおいて、ノイズ除去の機能は粒子をボケさせるような処理を行うものが多く、ノイズは消えるけど被写体の輪郭もボケてきてしまうというものが多かった。しかし、今回のACR6では、ディテールやコントラストを補うためのパラメータが追加されている。

以下の写真はACR5での同一画像のノイズ軽減結果。輝度&カラー共に100まで上げてみても、不自然なノイズが残ってしまうことが分かる。加えてピアノの輪郭などもぼやけてしまっている。

CS5-1-ACR5-NR.jpg

ACR5まででは、ノイズ軽減機能は限定的にしか使用してこなかったが、これら結果を得て、ACR6のノイズ軽減機能を使うことで、光量不足をISOでカバーせざるを得ない撮影の多くの場面で助けられることが出てきそうだと感じた。
ただし、私の趣味(?)のオーロラ撮影の画像で試してみると、残念ながら満足の行く結果は得られなかった。1200万画素クラスの画像では、このノイズ軽減を適用すると、点となって画像に残っている星の多くが消えてしまった。アルゴリズムを考えると、やはりこのあたりに限界はある模様。
しかしながらこれは極端な例なので、致し方ないところではある。

次に試したのは、進化したレンズ補正の機能。

CS5-1-LensProfMenu.jpg

CS3,CS4でもレンズ補正はあったが、前回までの一つ一つ調整していくといった方法に加え、レンズプロファイルを適用して、そのレンズに合った補正を半ばオートマチックに行ってくれるというものに進化した。
今回メニューの階層が一段出世している(?)ことからも、機能が大幅にアップしたんだということをアピールするかのようなAdobeの意気込みを感じる。(笑)

レンズ補正のダイアログが開くと、画像のExifデータから適切と思われるプロファイルを自動的に選択して適用した形で表示される。しかし現状まだプロファイルは少なく、所有しているレンズのなかにはプロファイルが無いものもあった。それでも今後いろんな人から提供される可能性があり、対応プロファイルの数は増えていくことが予想される。

さて、まずは色収差補正である。この画像はズームレンズの広角端を使って撮影されたものなので、単焦点ならまだしも、ズームで正しく色収差が補正されるのか半信半疑だったが、予想以上によく補正してくれた。場所によっては完全でないところもあったが、それも相当に目を凝らさないと分からないレベル。実際にプリントするあるいは大サイズでない一般的な印刷原稿として使用する場合などは無視出来るレベルのものだと思った。

まずは色収差補正OFFの状態
CS5-1-LP-CDC_OFF.jpg

これに色収差補正を適用すると。
CS5-1-LP-CDC_ON.jpg

この画像のようにコントラスト差の激しい部分において、極力色収差をなくすことはクオリティを上げることに寄与することは間違いないので、やらなければいけないなという思いはあった。しかし、レッド/シアン、ブルー/イエローの収差補正スライダをあっちだこっちだと動かして調整する作業は、正直面倒でもあるし、ちょっとやそっとの色収差なら、気にならないレベルのものも多いので、今まで色収差補正を行う場面は少なかった。
ところが今回のレンズプロファイルを使う方法を使用することで、プロファイルを適用するだけでほぼ完成形に近い色収差補正が行われるとなれば、これほど楽なことはないので、ぜひ使っていきたいと思った。

もうひとつの機能は、歪曲収差の補正。
歪曲収差、これは意外に悩まされる。舞台の上に並んでもらっての集合写真を撮る機会もちょくちょくあるのだが、手持ちのレンズではどうしても歪曲収差があるために、舞台の前の端が歪んで見えてしまい、見苦しい。
そこでCS4まではマニュアルで補正していたが、これも結構面倒だ。今回のプロファイルを適用する方法では、プロファイルにもよるのかもしれないが、かなり完璧に近いところまで補正された。最終形に近いところまで自動的に持って行ってくれるのであれば、最後の微調整だけを行うということをやっても、大幅に手間は省ける。

歪曲収差補正OFF
CS5-1-LP-Dist_OFF.jpg

歪曲収差補正ON
CS5-1-LP-Dist_ON.jpg

今回ノイズ軽減およびレンズ補正の進化した二つの機能を試したが、効率化にはかなり寄与するものであると感じた。場合によっては大量の画像をこのように処理しなくてはならないこともあるので、願わくばこれら機能がLightroom3で搭載されるともっと自分にとってはありがたい。

あと1カ月弱の試用期間のうちに、なんとか時間を見つけて他の新機能も試してみようと思っている。
 


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コメント 2

cjlewis

なるほど、これはすごい進化ですね。
ノイズ軽減、いいかも。
どの程度のものまでが自然に補正できるかということが頭に入っていれば、撮影のフィールドが大きく広がりそうです。
by cjlewis (2010-05-18 10:50) 

IsPhoto

技術の進歩で撮れなかったものが撮れるようになり、喜んで頂ける...
そのためには勉強しておかねばと思う今日この頃です。
by IsPhoto (2010-05-18 22:10) 

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