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デジタルフォト&デザインセミナー 2010 東京 [写真]

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今年もデジタルフォト&デザインセミナー2010へ (昨年の記事はこちら

プログラム
http://www.info-event.jp/adobe/pscs5/regist/program.html
 
「Leica S2が切り開くハイエンドフォトグラフィーの世界」 
講師:中村成一氏

中村氏が資生堂の宣伝部にいらした頃、一部上場企業として初のWebSite構築をすることになり、それに伴いデジタルカメラを導入したのがデジタルに触れた最初で、その時のカメラDCB IIだったとのこと。DCB IIと言えば、1996年に発表された3ショット419万画素のデジタルバックで、とんでもない値段だったことを覚えている。カシオのQV-10が38万画素で登場したのが95年なので、その頃と近い時期だったのだろう。それほど昔からデジタルに携わってこられた氏が、Leica S2にどんな評価を下すのか、興味深く講演を聞いた。
氏は、レンズの素晴らしさとファインダーの素晴らしさを絶賛していた。壇上のプロジェクターではその細かいクオリティは分からないものの、表のブースゾーンではあちこちのモニタに氏のLeicaでの作品が展示されていて、そのクオリティは十分分かった。が、しかし、”なぜLeicaなのか?”にもう少し踏み込んでも良かったのではないかと思う。ボディと標準レンズで300万弱という価格は、今や同じクラスの中判デジタルバックでも十分実現しつつある価格。価格だけでないLeicaにしか出せないこの絵...みたいな強烈なアピールがもっと出てくることを期待していただけに、ちょっと物足りない気もした。みんな”なぜ今Leica?”ということが興味の中心だと思うのだが....



「PhotoshopとAdobe CS5によるデジタル一眼ムービーのワークフロー」
講師:
映像クリエイター 高野光太郎氏
こびとのくつ株式会社 矢部一芽氏

デジタル一眼ムービー自体は今や珍しいものではなくなったが、実際に仕事で撮っている...というフォトグラファーの話はあまり聞いたことが無い。
このセッションの冒頭、「質問しますので手を挙げてください....」
「この中で実際に仕事でムービーも撮っていらっしゃる方」
「この中で、今後ムービーもやってみたいと思っていらっしゃる方」
先の質問ではほんのわずかだったが、二つ目の質問では一気に挙がった手の数が増えた。

このセッションでは、Premiere Pro CS5で編集、色調補正を行い、さらに部分的にPhotoshop CS5 Extendedでも様々な効果をかけるというワークフローを非常にわかりやすく説明されていた。
なにより驚いたのは、Premiere Pro CS5で、色補正をリアルタイムに行える点。Adobe Mercury Playback Engineによって、動画素材の読み込み、編集ばかりでなく、色補正までもがそこそこのスペックのPCでも行えてしまうのだそうだ。
さらに、シーンを指定して、これをPhotoshop CS5 Extendedに読み込むことで、Photoshopならではの様々なフィルター効果をかけることが出来る。作例の中では、先の記事でも紹介したノイズ軽減やレンズ補正を、なんと動画においてもかけることができるのだとのこと。

縦位置での動画という、フォトグラファーならではと思わせる作例が発表されていたが、見ていてほんとうに”美しい”と思った。この作例の中では、60fpsで撮影してスローにする手法を使って、”まばたき”の美しさを表現したのだという部分を講演者がしきりに強調していた。このシーンを”気持ちいい....”と表現されていた部分には、会場から笑いの渦が巻き起こっていた。



「3DCGはこれからのフォトレタッチャーの第2言語」
ヴォンズ・ピクチャーズ 代表 片岡章一氏、 CGデザイナー 大槻昌平氏

ヴォンズ・ピクチャーズの作品は、先月玄光社のShuffleでも紹介されていたが、今回はまた違った作例を使って3DGCの説明をされていた。今回の講演のポイントは、3DCGにおける「パーティクル」と「カメラマッチ」を中心に、これらの機能を説明するもの。
パーティクルの説明では、トランプの飛ばし方について、”なるほど”と思わせる”真面目な(?)”説明だったが、カメラマッチの説明ではメイキングビデオを使って面白おかしくその機能を説明していた。

カメラマッチとは現実の背景に、3DCGを自然になじませるために、背景撮影時に立方体を映し込み、合成時にこの立方体のディメンジョンをソフト上で指定して合成する手法。ロボットがパリのエッフェル塔の頂上に設置された旗を奪い合う図を作る...という過程で、どうしてもエッフェル塔にこだわったが、立方体を映し込んだエッフェル塔の画像が必要に...ということで、社長みずから弾丸ツアーを実施した...ということらしい。それは以下の動画で紹介されていた。



この動画には会場からも爆笑の嵐。それでも、”カメラマッチのために立方体を映し込む”ということの必要性をこれでもかと認識させるこの手法には驚きました。(聞いた人は皆忘れませんね。)



「Adobe Photoshop CS5のすべて ~20年目の進化~」
講師:アドビシステムズ株式会社 栃谷宗央氏

おなじみ栃谷氏の講演。Photoshop CS5の新機能を中心に説明。
まずは64bitの恩恵について。パフォーマンスのテスト結果は
Shuffleのページを紹介されていた。
エッジの検出、コンテンツに応じた塗り、修復について、パペットワープ、ACRのノイズ軽減、HDR、そして新しく追加された描画モード(除算、減算)をつかった表現についての説明が続く。
しかし栃谷氏の講演でいつも聴衆が一番盛り上がるのは、”ちょっと工夫でこんなに便利”というようなTipsの話しだ。この日もTipsを説明するたび、”こういうの好きですか?”のセリフが聞かれた。みんな”はーい”と元気よく答えると、栃谷氏のテンションもどんどん上がる感じ(笑)。
そしていつものように、時間をオーバーして氏のセッションが終了。



会場前ホールでは、例年通り各社のブースが出展

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Leica S2を使って撮影、Lightroomに読み込んでLightroom用プラグインを使用して色補正。
PhotoNextでもそうでしたが、今年はXriteとLeicaはタイアップしているようですね。

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Leica実機コーナー。皆興味深々で、Leica S2を試していた。

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会場特別価格で販売している玄光社のブースは今年も大人気。

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こちらもおなじみナナオブース。

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そしてこちらもこのセミナーではおなじみWACOMブース。

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HPは、ワークステーションのみならず、モニタも力を入れている模様。
人が多くてじっくり見れなかったので、今度どこかにあったらじっくり見てみたいと思いました。


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