大和田良写真展 『Wine Collection』 [写真]
大和田良氏の写真展、Wine Collectionのオープニングにお伺いした。
広尾の駅からほど近い、裏通りの住宅街にあるエモン・フォトギャラリーでの開催。
エモン・フォトギャラリーは、今回初めて訪問するギャラリーだ。地下1階にあるとのことで暗いイメージを想像していたが、とても素敵な空間だった。外のパティオからギャラリーを眺めると、全面ガラスのギャラリーは夜なのにとても明るい感じがした。
開始の18時にちょっと遅れて到着すると、会場は既にたくさんの人でにぎわっていた。
氏のワインコレクションは今迄も個展で拝見していたが、今回のように展示すべてがワインコレクションのものは初めてだった。これほどの枚数を一度に見ると、一枚のみで見る以上に新しい発見があって興味深い。
中でも同じ銘柄で年代違いのものを対比して見せる展示の部分に目が止まった。
これら二つの作品は、色が驚くほど違っていて、同じ銘柄なのかと信じられない程。
年代の古いものの方が濃いルビー色になるのではというイメージを持っていたのだが、むしろ古いほうが明るく鮮やかな印象。大和田氏に、撮影時に条件が変えているのかとの質問をしてみると、予想に反してライティングも露出も同一とのこと。”古くなればなるほど、青が抜けていく...”と。ワインに”青”とは驚いた。掲示してあったステートメントの、”類型的に表される様々な「赤」から、ワインという飲み物の美しさと多様性、そしてその中に眠る様々な思いを感じ取って欲しい。”との作家の思いが、グラデーションの中に浮かぶ微妙な色さえも見つけ出して表現することで、作品の奥深さを生み出しているのかもしれない。
オープニングではクールな印象だった氏も、2次会では多くの友人たちと大いにはしゃぎながら、グラスを重ねていた。
大和田良 Wine Collection
2010.12.01 Wed ~ 12.25 Sat
平日 11:00~19:00
土曜日 11:00~18:00
日・祝日休館
大和田良トークショー
2010年12月4日(土)15時〜16時
定員35名
エモン・フォトギャラリー
http://www.emoninc.com/
大和田良氏ブログ
http://ryoohwada.exblog.jp/
http://ryoohwada.exblog.jp/13893866/
http://ryoohwada.exblog.jp/13731944/
大和田良氏のインタビューで構成されたドキュメンタリーは、こちらのサイトで紹介されています。
POLOS on Earth
写真芸術の現場 大和田良【前編】
写真芸術の現場 大和田良【後編】
”古くなればなるほど、青が抜けていく...”
おもしろいですね。
考えてみたら、蛍光灯が緑に写ったり、
白熱灯が目に見えている以上にアンバーに写ったりって、
写真には、目でそこまで見えてないって色が表現されますよね。
人間の目が優秀なのか、曖昧なのか、許容範囲が広いのか、、、
この差をうまく利用することで、
さまざまな撮影のアイディアも浮かんできそうです。
by cjlewis (2010-12-03 16:09)
cjlewisさん
>人間の目が優秀なのか、曖昧なのか、許容範囲が広いのか、、、
ほんとうにそう思います。答えはどちらなんでしょうね?
答えが見つからないからこそ、面白いのかもしれないし....
商業写真ではミックス光って嫌われるけど、うまく使うと作品としては
面白いのかもしれないなとふと思いました....が、計算して作るのは
えらく難しそう...意図せずなってしまって困ることは多いのに...(笑)
by IsPhoto (2010-12-04 10:31)
ワインに「青」が入ってるなんて、初めて知りました!
どう見ても、「青」っぽさがわからないんですが…ワインの色って奥深いんですね。
by dogwood (2011-02-09 03:46)
dogwoodさん
ワインに青の色とは、聞いて私も初めて意識しました。
ほんとうに、色々と興味深い写真展でした。
by IsPhoto (2011-02-13 09:26)