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道具の吟味 [オーロラ撮影]

オーロラを撮りに行こうと決めてからは、前回のフィンランド旅行の時同様、撮影に関するいろいろな下調べを始めた。まずはやっぱり撮影機材を吟味する必要があると考えた。

銀塩かデジタルか....
現在インターネット上で色々調べても、ほとんどが”マニュアルでシャッターの切れる機種”と書かれている。また、デジタルは極低温環境下での電池の能力低下が問題となり、メカシャッターの機種が良いと書かれているものもある。しかし、前回も書いたが、今回の目的は、デジタルで撮るということ。
もう一つは、細い針を可能な限り表現すること。

肉眼ではオーロラの中に細い針のような光が多数見えるが、これらは絶えず動いているために、なめらかなカーテンのように写ってしまう。しかし、私が見た印象では、オーロラは強ければ強いほど、細い針の集合体だ。

前回撮影したときは、知人に教えてもらった唯一の露出条件を基に、手探りで露出を決めて撮影したが、ヒット率は少ないにせよ、写ったことは写った。しかし、今回はデジタルである。以前カメラ雑誌のオーロラの記事で、”デジタルはフィルムよりも光に敏感である”と書かれていたのを読んだことがあるが、そうだとすると、デジタルの方が短い露光時間で写る可能性が高いということだ。それは、細い針を表現するには、とても好都合のように思われた。

しかし、そこで一つ壁があった。

記事の中には、掲載画像の撮影条件も出ていたが、それらは全て、800~1250という、高いISO感度で撮影されていた。所有しているNikon D70sでは、絵としてまったく使い物にならない領域だ。もちろんこのカメラでも、このくらいの高感度でも使える写真もあるにはあるが、それがオーロラ撮影の場合となると疑問だった。
記事の中の写真は、Canon 1Ds MarkII, 1D MarkIIと、高感度ノイズにはめっぽう強い機種とされているもの。やはりだめかと半ばあきらめてしまいそうになったが、今度は妻が背中を押してくれた。

”行って残念な思いするくらいなら、ちょっとがんばって買っちゃえば....”

実はそれまで、2007年11月に発表されたNikonの最新機種にかなりの興味を抱いていた。夜景を撮ることの多い私にとって、高いISO感度での画質向上を大きな売りにしていたこれら機種は、非常に魅力的だった。
今回旅行に誘ってくれた知人に相談すると、”そりゃD3+12-24 2.8がいいに決まってる!”と.....
確かにD300に比べて、高いISO感度の画質は一まわりも二まわりも上だ。しかし、この組み合わせでは80万を超えそうな勢いである。どう考えても、それでお金を生む使い方をしない私のような素人としては、この金額はおいそれと出せるものではない。他にも様々な理由から、まずはD300を買ってみることにした。

こういう日に限って仕事が忙しかったが猛烈にスパートをかけ、届けてもらったD300を手に会社を出た。まずは懸案の高ISO感度撮影である。


隅田川 永代橋近くより

まずは懸案の高ISO感度での撮影。ISO3200という、以前のカメラではまったく想像だにしなかった感度である。家に帰りさっそくパソコンで見てみると、その結果は驚きの品質だった。パソコン上で拡大して見ると、ノイズはあるにはあるが、ノイズの質が悪性ではなく、銀塩の粒状性のそれにも似た、良質のノイズであった。
このくらいのノイズなら、Web用途ではまったく気にならないし、ISO1600で撮影した画像に至っては、想像していたものに比べて、さらに十分すぎる品質だった。

これでハードルを一つクリアした気になれた。

<続く>


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コメント 10

Kimi

オーロラって細い針の集合体だったんですね♪
ずっとカーテンのようなひらひらしたものだと思ってました(^^ゞ
光りの針見てみたいなぁ(^^)
高ISO感度もクリアしたことですし、期待大ですね!!
ばっちり写りそうな予感がしますよ♪
ドキドキワクワク・・・(・∀・)
by Kimi (2008-02-05 16:20) 

IsPhoto

そうなんです。特に強くなると、針が良く見えます。
実は前回の欧州旅行の帰り、弱いオーロラが出ていて、窓から見ると飛行機で飛んでいる自分たちの周りに、細い針が降り注いでいる感じでしたよ。欧州からの帰りは、”左の窓際!”っていつもリクエストして、あちらの地上係員の方にヘンな顔されてます。機上からオーロラ見ようとして3回中2回は見えましたよ。特にフィンランドからの帰りの時は、遠くにでしたが窓から見える範囲の左右全部オーロラでした。
ウチの場合、欧州からの帰りは交代でちょくちょく窓の外を見てチェックしてます^^
by IsPhoto (2008-02-05 23:58) 

Kimi

え゛ーー!!
飛行機からも見えるんですか(驚き)
もっと早く聞いてればよかった_| ̄|○
今回のスペインの帰りは左の窓際だったんです。
ヒースローからラップランドのもっと上の方(たぶん)を飛んで帰りました。
窓の外チェックしなかったです(T.T)
次に行ったときは絶対チェックしまっす!!
by Kimi (2008-02-06 00:35) 

IsPhoto

そうなんですよ。
欧州からの帰りオーロラが出やすい場所を飛ぶ頃は、夜の場合がほとんどですから、かなり確率は高いですよ。高度も33,000~45,000ftあたりの高いところを飛ぶので、雲に隠される確率も低いですし...
その際、ハンドタオルは必需品です。窓は冷たくなっているので、顔をくっつけるようにして見ていると、息ですぐ曇っちゃいます。で、タオルで拭うわけです。
次回チェックしてみてくださいね^^
by IsPhoto (2008-02-06 00:47) 

とり

夜景、キレイですね~。
当分D200で頑張ろうと思っているのですが。
・・・うーむ。
by とり (2008-02-07 20:37) 

IsPhoto

とりさん
私もかなりD70sで粘りましたから....^^;
高ISOはやっぱりいいです。でも、買った後から知り合いからD3の画像を見せられて.....でも、やっぱフルサイズレンズに買い換えることもできずに....
また色々チャレンジしてみます。
by IsPhoto (2008-02-07 22:43) 

ccq

D200だと400までくらいしか使いたくないです~
by ccq (2008-02-13 20:39) 

IsPhoto

ccqさん
おこし頂きまして、ありがとうございます。
いつも非常に興味深い記事購読させていただいています。
高いISOの性能は、各誌で紹介されているとおり、なかなか
のクオリティだと感じています。
もちろんWeb用途としてですが、記事にも書かせていただいた
ように、銀塩のざらつきにも似た、悪くないノイズだと思いますよ。
by IsPhoto (2008-02-16 22:46) 

kazz

なるほど〜
記事の順番を逆に読んでいますが、オーロラを撮るためにD300を購入されたんですね。
機種が変わっていることはちょっと前から気付いていたんですが。
やはりD3など、フルサイズは奇麗なんでしょうね〜。雲の上だ・・・(^^;


by kazz (2008-03-05 15:11) 

IsPhoto

kazzさん
はい、その通りです。^^
今回D3で撮影されている方もいらっしゃったのですが、CCDサイズもですが、D3のノイズの少なさは特筆ものでした。
爆発の時は、なんと2秒のシャッターが切れたそうです。
高感度でもノイズが少ないというのはすごいです。
しかし、画素の少なさで、偽色が少しあるのも事実でして.....
しかし、トータルに見て非常に良いカメラのようです。^^
by IsPhoto (2008-03-09 08:44) 

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