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準備は楽し [オーロラ撮影]


フィンランド北部 ラップランド イナリ湖畔

その後、仕事も色々と慌しく、なかなか準備が進まないでいた。
そうこうするうちに、出発の日は近づくもので、気がつけばもう2週間と迫っていた。
先週はなんとか時間を作り、また準備を始めた。

三脚
オーロラの撮影を行うのには、三脚は無くてはならないものである。通常15~60秒の露光を行うために、しっかりしたものが必要となるからだ。しかし前回のオーロラ撮影経験から、あまり重量のあるものを使うのは得策で無い気がした。というのも、前回もオーロラの出現にあわせて、写りこむ木々の景色とのバランスを考え、アングルを探して意外と歩き回っていたからである。足元の悪い、また防寒着に身を包んだ状態で思い機材を抱えて歩くのはかなりしんどいものだ。しっかりしつつも可搬性の良いものを探そうとすると、やはりカーボンのものが良さそうに思われた。かつ、トランクの中に入る長さのものが良さそうだ。
そんな時、知人が余っている三脚がいくつかあるとのことで、良ければ買わないかとのこと。新品を買おうと考えていた矢先、願っても無いオファーだ。よく見てみたいので、せっかくだからと仕事帰りに久しぶりにおじゃました。
また、私の撮影スタイルの場合、素早くアングルを変更するために、片手で操作可能な自由雲台が欲しいと考えていたが、これら条件を満たす最適なものがあった。聞くと、テストで買って一度寒冷地撮影で使ったのだと言う。なるほど、脚にはパッド付きである。極寒地での撮影では、このパッドはありがたい。すぐにこれに決定。譲って頂く事にした。

ケーブルレリーズ
ケーブルレリーズも購入。これもオーロラ撮影には欠かせない。
D300で使えるリモートコードは、MC-36とMC-30というものがあるが、前者の方が、露光時間設定が出来たりと高機能である。しかし、このコード部の材質が、後者に比べ硬い素材である。もちろん通常使用環境という前提だと、両者の差はまったく感じないが、極寒の環境下(マイナス30度以下)では、このコード部がかちかちになるのだという。実際に撮影となった場合、絶えず変化するオーロラの光量にあわせて、露光時間をいちいちレリーズの小さなボタンに打ち込む作業は、とても無理では無いかと考えたのも理由になり、露光時間は、自分でアナログ的に(秒数を数える)コントロールするということを考え、安いMC-30を選択することとなった。

バッテリー
バッテリーは最低2個は必要だ。なぜなら、極低温下では、バッテリーの能力の低下が著しく、このような環境化である程度の時間が経過すると、電池としての力を発揮できなくなるからだ。マニュアルのメカシャッターが良いという理論の理由の一つが、このバッテリー能力低下である。今回は、もう一つのバッテリーを内ポケットで暖めつつ、能力低下が始まったら入れ替える方法をとる予定である。しかし、これも本で読んだ話。実際にどのようなことが起こるかは未知数である。

メディア
今回のカメラで使用するメディアは、CFカードだ。ご存知の通りCFカードも様々なものが売られているが、低温に対するスペックがHP上でしっかり公表されているSanDiskのものを使うことにした。今回は連写の必要性も無いので、予算の関係から、ExtremeIIIに決定した。ExtremeIIIの動作環境は、-25℃までである。(それでも予想される環境はカバー出来ないが)
これを2枚用意し、一枚はバックアップとして内ポケットに入れておく予定だ。

カメラの保温
なにせ、今回使用予定のカメラD300の動作環境スペックは、0℃~40℃である。-30℃~-40℃というのは、完全なスペック外である。もはや電子機器となってしまったカメラを、極低温下でも如何に安定して動作させるかということについては、さすがに皆さん試行錯誤されているようである。
カイロを巻くという方法をとっていらっしゃる方もいらっしゃるようだが、今回はあえて暖める方法は取らずに撮影しようと思っている。カイロといえば、今すぐに思い出されるのが、ホッカイロに代表される化学反応タイプのものであるが、前回の経験から、これだけの低温になると、それはまったく役に立たない。すると、何か燃やすタイプの古来からのカイロが候補に上がる。しかし、航空会社にもよるが、燃料関係のものは、預ける荷物にも入れることが出来ない場合が多い。
現地で固形燃料タイプのカイロを買うことを紹介されている本もあったが、果たしてどれほどの効果があるかは未知数だ。一つ装備が増えるということは、一つまた気にしないといけないことが増えるということ。寒さの上に考えるべきことが増えることを少しでも避けたいので、このタイプを使用するか否かについては、現地に着いてから考えようと思っている。
最悪の場合に備え、バックアップでD70sも持っていく予定だが、高いISO感度での品質には期待できないため、まったく撮影できなかったということを避けるためだけのものになりそうである。

と、色々と、自分なりの理論で準備を進めている。しかし、私にとってデジタルでの撮影は初めてである。こうして準備したことが、間違いだったと現地で気がつくかもしれない。まして天候に恵まれるかどうかという点も大きな問題だ。しかし、それらのリスクを全て考慮しても、オーロラの撮影は興味深く、また楽しいものであることは間違いない。だからこそ、うまく行かない可能性があるにしても、その準備は楽しいものである。

つづく.....


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コメント 4

Kimi

いろいろなことが手探りなんですね。
開幕戦を数日後に控え、万全の準備をして挑むF1チームのようで、
読んでてドキドキしました(^◇^;)
いい結果が出るといいですね(^^)
なんだかとっても楽しみです♪
by Kimi (2008-02-19 22:04) 

IsPhoto

>万全の準備をして挑むF1チームのようで、
Kimiさんらしいコメント、ありがとうございます^^
今週も色々準備中です。また記録しておき、Upしたいと思います^^
by IsPhoto (2008-02-20 08:31) 

とり

改めて過酷な撮影環境なんだなぁと思いました。
良い撮影ができますように!
by とり (2008-02-20 18:51) 

IsPhoto

とりさん
ありがとうございます。
-25℃のときも色々と想定外のことがありましたが、今回はさらに15℃も低い環境となる可能性があり、カメラがまともに動くかさえ心配です。
by IsPhoto (2008-02-21 01:57) 

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